金属3Dプリンターの粉末材料は流動性と粒径が大事です|金属3Dプリンター受託造形サービスのことなら株式会社J・3D

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事業内容 金属3Dプリンターの粉末材料は流動性と粒径が大事です
Fluidity and particle size are important for powder materials for metal 3D printers.
金属粉末の流動性

金属3Dプリンターで使う金属粉末材料は基本的には「球形」でなければなりません。その理由は・・・

材料供給にあります。殆どの金属3Dプリンターは粉末をリコーターと呼ばれる棒で敷き詰めます。

図のように右側に材料バケットがあり、そこから材料を多めに持って行き造形ステージに敷き詰めて行きます。

余った材料は反対側のバケットにためて行きます。この為材料がスムーズに流れる必要があります。

真四角の金属粉では抵抗がかかり材料を供給している途中で供給装置が停止してしまうからなのです。

供給装置が停止すると停止した原因を除去した後に再スタートをしますが、ガス置換されたチャンバー内を再びガスで満たす必要があり30分から45分ほど置換時間がかかります。金属粉末の流動性が悪ければ造形中に何回も停止し、その都度ガス置換の時間が必要となりますので正直仕事になりません。造形時間1時間でも停止復旧時間6時間なんてこともあるのかもしれません。

流動性を悪化させる原因の1つに湿度という要因もある事がわかっています。「球系」の金属材料を使っているのにも関わらず停止してしまうのは湿度が起因している事も少なくないのです。よって、金属粉末で大事な事は粉末に湿度を含ませてはいけないという事です。日本の夏のように高温多湿の場所では常に湿度に晒されていますので。24時間恒温ドライ環境での管理が重要になります。それでも湿度が入ってしまった場合はオーブン等(熱処理炉)で何時間か暖めて水分を飛ばさなければ停止してしまう場合がありますし、万が一停止しなくても出来上がった造形品の中に巣が発生する場合もありますので細心の注意が必要になります。

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金属粉末粒径

金属粉末の粒径ピークサイズは各メーカーバラバラですが、粒径を細かくすれば造形面の向上が図れますが価格も高くなります。殆どの金属3Dプリンターの材料はアトマイズ法で作られた金属粉末なので、分球していくと3Dプリンターで使える部分は大トロ部分になります。更に細かく分球するとなれば更に貴重部位(シャトーブリアン級)になります。分球の時間や歩留まり悪化ということになりますので更に高価な粉末になっていきます。また材料によっては人体に有害な成分が入っているものもありますし、そうじゃなくても細かくすれば人間が吸い込んでしまい塵肺の危険性や、粉塵爆発リスクも高くなるので細かく分球が必要な場合はそれらを使う環境を配慮し、なおかつ作業者には十分な注意するようにコミットしておいた方が良いでしょう。

塵肺の回避方法としては、防塵マスクの着用を必須条件とする事です。

粉塵爆発回避の環境としては、造形室禁煙は当然の事ですが、造形室床にゴムを張ったり、静電気除去バンドやアース線の着用や静電用作業服の着用を義務としたり、造形ルームの防火施設(金属用消化器設置)、または作業手順の徹底等も行わなければなりません。エアコンのフィルターも短期間での掃除をお勧め致します。エアコンが金属粉末を吸い込んでいるので火災や爆発の原因になります。

また、材料を取り出す際に使用する吸引機や「ふるい」も防爆仕様(ステンレス製)のものを使う必要があります。材料の混在(コンタミ)を防ぐ為にも材料ごとに吸引機や「ふるい」を用意する必要がありますので、イニシャルコストが高くなります。

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金属粉末まとめ

ある研究機関によると、金属3Dプリンター造形品の精度向上には金属粉末の粒径を細かくする必要があると言われておりましたが、前項でも述べたように粒径を細かくすれば金属粉末の価格が上がるだけでなく、塵肺や粉塵爆発のリスクまで上がります。

金属3Dプリンターの造形精度を上げる事を考えるより造形速度を上げる事を考える方が得策なのかもしれません。何事もバランスだとは思いますが・・

金属3Dプリンターの粉末って意外に大変なものか・・おわかり頂けましたか??

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