はじめに
昨今、新聞でもまた金属3Dプリンターの記事を目にすることが増えてきました。
コロナ禍においても注目されていることが伺えます。
さて、今現状の金属3Dプリンターの造形サイズと言えば250mm角が一般的になっています。
しかし、徐々に大型も進んできており、また複数レーザーを搭載しスピードアップもなされてきましたのでご紹介させて頂きます。
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Concept Laser
GEアディティブ(Concept Laser)が販売するX Line 2000Rは、造形可能範囲800 x 400 x 500 mmを誇っています。
レーザーも2 x 1000 W(cw)ファイバーレーザーを搭載しておりますので、二つのレーザーで大きな造形サイズをカバーしております。
X Line 2000Rは、160リットルのビルドボリュームを備え、再現性のある材料特性を備えた大規模な機能部品と技術プロトタイプをツールレスで製造するための世界最大の金属3Dプリンターです。
航空宇宙および自動車産業で大型造形品を製造するために使用されることが多いそうです。
使用可能材料は
・アルミニウム(ALSi10Mg)
・チタン64
・インコネル718
・SUS316L
・コバルトクロムモリブデン
自動粉末搬送装置などもついており、プロセスとハンドリングを分けて考えることができる装置になっています。
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SLM Solutions
SLM solutionsではSLM500という機種があります。
最大造形エリアは500 × 280 × 365 mmになっており、400Wの4台のファイバーレーザまたは、700W、4台の構成で、同時に稼動することができ高い生産性を誇る万能型金属3Dプリンターになっています。
最適化されたガス流量により、最高の密度と最高の表面品質を持つ複雑な造形品を作ることが可能です。
少量多品種生産、また大型の部品造形などに使うことが可能です。
また新たにSLM800という機種をラインナップし、Z軸を拡大した500×280×850mmというサイズが可能となりました。
新開発の全自動取出し装置「SLMハブ」と接続することが出来、作業性の向上にもつながります。
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松浦機械製作所
日本を代表する金属3Dプリンターメーカー「松浦機械製作所」のLUMEX Avance-60の造形サイズは600×600×500mmとかなりの大型サイズに対応できる金属3Dプリンターになっています。
高出力1kWファイバーレーザ標準搭載、材料供給動作(スキージング)速度の向上など色々改善された金属3Dプリンターになっています。
金属粉末はオペレータが直接粉末に触れることなく、粉末の供給から、回収、再利用までを全自動で行うAPRシステムを搭載しています。また、造形後の余剰粉末は自動で分級され、次回造形に再利用します。
それにより作業性の向上はもちろんなのこと、工場への微粉末飛散を防止、作業環境を良好に保ちます。
切削加工付きのハイブリッド金属3Dプリンターでは最大サイズになります。
近年の、航空宇宙産業や自動車産業から、より大きなワークサイズの「高付加価値部品」の市場要求が高まったことからリリースした金属3Dプリンターです。
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EOS
EOSのM400-4の造形可能範囲は400×400×400mm。それぞれ250 x 250 mmの領域で動作し、50mmのオーバーラップがあります。
4×400Wのレーザーを搭載し、全造形エリアに均一な機械特性の造形を実現させた機種になります。
装置のモジュール化により、生産ラインの効率化が可能になったことと、新たなガスフロー管理がされ高品質な造形を維持できる金属3Dプリンターです。
また今までの金属3Dプリンターの課題であったリコーティングも往復共有に改善したことにより生産効率も大幅にアップ。
さすがEOSといった大型化になっています。
しかし、今まで通りの小型部品から、多品種少量生産、さらに大型部品の造形ができる機種です。
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Aurora Labs
オーストラリアのビブラレイクにあるAuroraLabsは、試作段階の積層造形システムであるRMP1ベータプリンターの構築と最初のライブテストを完了したと発表しました。
ビルドプレートはΦ450mm x 400 mmで、同社の以前のテストシステム(Alpha2)の10倍の体積と、3倍の処理能力で部品を造形できます。
AuroraLabsは速度向上と造形品質の最適化を優先し、高さ10mmのチタン六角形パーツのシリーズをわずか20分で造形。
大きさもさることながら、スピードも魅力的な金属3Dプリンターです。
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Aconity3D
Aconty3DではAconityONEという機種が大型のラインナップになっています。
造形サイズはφ400×H400mmで、プロセスパラメータ全てにアクセスが可能な金属3Dプリンターになっています。
また予熱装置、プロセスモニタリング、またレーザーの構成を希望に応じて追加変更できます。
レーザーも最大6つ搭載可能になっており造形エリアにすべてのレーザー光源が完全にオーバーラップできる唯一無二の金属3Dプリンターですので注目も大きいです。
レーザー出力は200W~1000Wを選べるので造形する材料に応じて考えるとさらに効率が良いですね。
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HBD
HBDのHBD-1000は、密閉型自動粉体循環システム、独立した長時間作用型多段精製システム、高度に統合された後処理ユニットなどを備えた、4レーザーの大型金属3Dプリンターです。
造形サイズは600×600×1000mm。レーザー出力は500W か1000Wになっています。
ハステロイ、タンタル、タングステンなどの高融点金属でも対応できるため航空宇宙産業でのニーズが大きくなりそうです。
大きいが故の課題もありそうですが、とにかく大きな部品の造形をしたい場合は選択に入ると思います。
設備の価格も安いと聞きますので手の出ない範囲ではないのかもしれません。
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