レーザーとの関係性

金属3Dプリンターではどんな材質にも対応できる訳ではありません。
今、弊社で取り扱いしている金属材料も、マルエージング鋼、インコネル718、チタン64、アルミニウム(AlSi10Mg)、SUS316Lの5種類だけです。
もっと色々な材料で金属3Dプリントができれば需要もたくさんあるのですが、今現状ではこれだけなのです。その理由の1つに金属材料とレーザーの関係があります。
金属材料にレーザー光を照射すると一部は反射し、一部は吸収されます。また材料によって一部が透過し、材料表面の状態によって乱反射が出てくるため、使っている波長によっても出来る材料と出来ない材料が出てきます。金属3Dプリンターと全部をひとくくりにすることはなかなか難しいのが現状です。各メーカー波長が少しずつ違っております。
銅の金属3Dプリンターが難しいのはファイバーレーザーの波長では反射のが多くなってしまうからなのです。紫外線レーザーなら上手く溶融する事が出来る可能性がありますが、現状では存在しておりません。今後は材質ごとにレーザーの種類を変える必要も出てくるのかもしれません。
結局、ファイバーレーザーの領域でできる材料と出来ない材料があるという事を理解しなければならないのです。それか、出力を上げ反射率をカバーし出来る材料を増やす事が出来ますが、エネルギー効率から考えるともったいない・・
EOSでは数年前までCO2レーザーを採用していましたが、波長が10.6μmと長い為に殆どの材料で反射してしまいました。それがファイバーレーザーに変わり波長が短くなった事で出来る材質が増え、それに加え出力が400Wに上がった事により反射率をカバーできたということです。
それらから考えると、やはり今後はレーザーの種類を変え材質を増やす。または高出力のレーザーを搭載する。この2点に絞られるのかもしれません。
金属3Dプリンターも中々奥が深い加工機なのです。
お問い合わせはこちらから