金属3Dプリンターで使用するステンレス

ステンレスと一言で言っても様々な種類がありますが、金属3Dプリンターで造形できるステンレスはSUS316Lとなっています。
SUS316Lは高耐食性ステンレス鋼の部類になり、表面に緻密に形成されたCr(クロム)の極薄い酸化皮膜によって錆が内部に進行することを防いでいます。
熱伝導については金属結晶中の自由電子の動きをクロムやニッケルが邪魔しているため、鉄よりも熱伝導が劣ります。
低炭素な合金なので切削性も良く、後加工も問題なくしていただけます。
またSUS316Lは、良好な耐食性を有することおよび細胞に有毒な濃度まで達する物質を含まないことが明確であることを特徴としています。
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材質特性
EOS StainlessSteel 316L で造形されたパーツの化学組成は、ASTM F138 “Standard Specification for Wrought 18Cr-14Ni-2.5Mo Stainless Steel Bar and Wire for Surgical Implants(UNS S31673)”に適合しています。
また、EOS StainlessSteel 316L で造形されたパーツは造形後の状態あるいは応力除去された状態
(AMS2759)において必要に応じて機械加工、マイクロショットピーニング、研磨を施すこ とができます。
造形状態での機械特性は目標値(ASTM A403)を満足しているので溶体化処理 は必要ありません。
また、427℃~816℃の温度範囲での使用は炭化クロムの析出が起こるので適さないので注意が必要です。
金属3Dプリンター造形に起因して部品は一定の異方性を有し、それは機械特性で確認できます。
部品の物理特性と化学特性
材料組成
◆Fe balance
◆Cr 17.00~19.00
◆Ni 13.00~15.00
◆Mo 2.25~3.00
◆C ~0.030
◆Mn Cu 2.00~0.50
◆P ~0.025
◆S ~0.010
◆Si
~0.75
◆N ~0.10
相対密度 approx. 100 %
密度 7.9 g/cm3 0.285 lb/in3
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使用用途例


金属3Dプリンターで造形したSUS316Lは以下の用途に理想的です。
- ライフスタイル/コンシューマ雑貨;腕時計、宝飾品、眼鏡フレーム、装飾品など
- 自動車/産業機器;耐食性の一般的な部材、食品および化学プラントなど
- 航空・宇宙/タービン産業
- レーザ焼結技術の入門部材;取付部品、熱交換器、電気筐体や付属品の機能要素など
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