造形品の強度について

金属3Dプリンター造形品で一番お客様が懸念している事は強度です。
下記の材質特性を見て頂いてもおわかり頂けますように
1.マルエージング鋼
2.インコネル718
3..純チタン
4.ステンレスr316L
5.アルミニウム(AlSi10Mg)
記載されている強度については全く問題ありません。が・・・
このデーターシートに記載されていない項目が一つあります。
それが疲労強度です。
圧延材と比べると疲労強度には正直弱いデーターが出ています。
それを解消するにはもう一つ工程を踏む必要があります。それが「HIP処理」という技術です。
HIP処理とは英語の Hot Isosatatic Pressing の頭文字を取ったもので、日本語に訳しますと「熱間等方圧加圧」となります。数100℃〜2000℃の高温と数100〜2000kgf/cm3の等圧的な圧力を造形品に同時に加えて処理するプロセスになります。HIP処理の場合はガス圧を使うので複雑な構造体でも均等に圧力をかける事が出来ます。この工程を追加すれば金属3Dプリンター造形品も圧延材と変わらない強度を出す事が出来ます。
しかし、実際に使われる事は多くはありません。もともとの強度が高い材質が使われていますので必要ないという場合と、試作開発などで使うので短期間のテストのみになる場合が多いからです。
でも今後航空機や医療分野で使われる事が想定されていますので、その場合はこの工程を追加し疲労強度も向上させる必要があると考えます。
樹脂金型、ダイカスト金型、試作開発部品などには現状の疲労強度で十分に対応できる範囲となっています
。
金属3Dプリンターで造形した製品は、残留空孔が0.1%未満の為(注:メーカーにより異なります)HIP処理後の変寸もほとんどありません。
しかし、強度を確かにしたい場合はお気軽にHIP処理まで!とご依頼下さい。
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