金属3Dプリンター造形品の品質を左右するもの

金属粉末積層造形という分類の金属3Dプリンターでは非常に細かい金属粉末材料を使います。
弊社で使う金属材料も10μm~60μmの粉末を使います。
金属粉末材料は球形状である必要があるのでガスアトマイズ法にて作りますが、このガスアトマイズ法で作ると大きな粒径から小さな粒径、様々な大きさの金属粉末が出来上がります。
先ほどもお伝えした通り金属3Dプリンターで使用する金属材料は非常に細かい(10μm~60μm)ので、大きなものは除外する必要があります。
左の図を見て頂ければわかるように、ガスアトマイズ法で作られた金属粉末から金属3Dプリンターに使われる量は半分以下。
残りの材料はまた溶かして使用できるものの歩留まりの悪い工程です。だから価格も高くなってしまうのです。
また、作られた金属粉末は酸化しないように管理する必要があります。湿度が高い場所での管理は厳禁。乾燥剤などもいれて管理しておくと良いでしょう。
湿度が高い日や、長い間放置されていた金属粉末は使用する前にオーブン等で温め湿度を取る必要がありますが、酸化が進んでしまっている粉末は捨てなければなりません。
湿度や酸化の進んだ金属粉末を使用すると、流動性が悪くなり巣の発生につながったり、強度異常が発生します。
また、使う装置(金属3Dプリンター)によって粒度分布が違うそうです。
使用する装置ごとによって分球するとなると、作っている方も相当面倒な作業になることは想像できます。
今、日本国内でも金属3Dプリンター用の金属粉末は注目され開発され販売に至っています。
価格が下がることもそうですが、新素材の金属粉末のリリースも期待して良いと思います。
すぐに金属3Dプリンター市場が大きくなるわけではありませんが、いずれ大きなマーケットになると予想されていますので今のうちに材料開発も進めていく必要があることは言うまでもありません。