金属3Dプリンターのレンズは肝になる

金属3Dプリンターでの造形にはいくつくか肝がありますが、その最たるものがレンズになります。
造形ステージの中央に位置しておりレーザーをガルバノミラーで位置を制御しレンズを通して照射しています。
造形中は金属を溶かすときに生じるスパッタや煙が常に発生しますが、造形チャンバー内の風の流れによって集塵機に吸い込まれていきます。
しかし、それは100%の回収率ではないため一部のスパッタや煙はレンズ方向に向かいます。
それらによってレンズの曇りやスパッタの付着が発生するとその部分でレーザーは乱反射などしてしまい造形品質を落としてしまいます。
レーザーのスポット系はEOSで約0.1mmで調整されていますが、乱反射をすれば必要なエネルギーを金属粉末に伝えることができません。
それによって一部分で金属の半溶融が発生したり、うまく広がらなかったりします。
この現象を回避するには造形後にレンズの清掃をしなければなりませんが、柔らかい布にアルコールをつけ拭くにもコツが必要です。
変な掃除の仕方をすれば逆に曇りを広げることになりかねません。
力を入れずに細かく動かして清掃することをお勧めいたします。
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乱反射を起こすとこうなる

では、乱反射を起こすとどんな現象が発生するのでしょう。
左の写真をご覧ください。一部が黒く焦げ付いたような部分が確認できることでしょう。
これは、レンズの一部に曇りが発生して状態での造形になります。
曇ったレンズ部分から照射された金属粉末は十分なエネルギーを与えてもらえず溶け切らないことがあるのです。
おれがこの写真の黒く焦げたような部分になります。
実際は焦げているのではなく、金属粉末が半溶融の状態になっているのです。
このまま造形を進めていくとその部分では巣が発生したり、リークしたりします。
造形開始後は少なくとも3層が終了するまで、造形確認をするとよいでしょう。
めんどくさいから・・急いでるから・・そんな理由で清掃を怠ることがないように気を付けていきましょう。
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