良い粉末と悪い粉末

毎回お話ししておりますが、この6月の時期は金属粉末への湿度管理が大変気になります。
また最近では金属粉末を持ち込んでのテストも増えてきておりますので、金属粉末の基礎知識をお話ししたいと思います。
金属3Dプリンター用の粉末はガスアトマイズ法を使った球形の粉末が良いとされております。しかし、この粉末もさらに分球して金属3Dプリンターで使用できるサイズにする必要があります。
今世の中に様々な金属3Dプリンターが出ていますが、全て同じ粉末でいい訳ではありません。設備ごとに金属粉末の供給システムが異なっており、大きすぎると駄目、小さすぎると駄目といった現象があるようです。
ここでは設備ごとの分球サイズや特徴等はお話ししませんが、設備毎の分球サイズを提供しなければならないようで粉末の価格が下がる要素が少ないのが現状です。
さて・・・今日は季節柄湿度についてのお話を盛り込みたいと思っています。
最近、金属粉末を持ち込んでの造形テストが増えていますし、弊社としても色々な金属粉末を試す機会が増えてきています。
その時に大事になるのがまずは金属粉末の形状と大きさです。
左の写真は弊社で使用するEOS用の金属粉末です。ピークの粒径は20〜30μm
かなり細かな方も入っています。これを細かくしすぎてしまうと金属粉末を供給する際に抵抗が大きくなりうまく敷き詰められない等の現象が報告されています。
さて、粒径と形状はクリアしたとしましょう。しかし、この条件だけでは金属造形機に入れたくはありません。
金属粉末に湿度があればうまく造形できない場合がありますので、湿度を測定したいところです。
しかし、現実的には弊社にはそのような設備がなく湿度を計測する事ができません。
そんな時に役に立つのが透明な小さなビニール袋です。ビニール袋に金属粉末をいれて振ってみると、湿度を多く含んだ金属粉末はボソボソ塊になっていき、湿度が無い場合はサラサラのまま1つ1つの粒径はくっつく事がありません。またくっついていなくても周りのビニールに多く粉末が付着してしまう場合もあります。このような場合は湿度を含んでいる可能性がありますのでうまく造形できない可能性があるのです。
金属粉末は金属造形に取って非常に重要なモノである事をおわかり頂けたかと思います。
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