金属3Dプリンターの工法種類と目的別おすすめ用途ガイド①

query_builder 2025/10/09
金属3Dプリンターの工法種類と目的別おすすめ用途ガイド①

・金属3Dプリンターの工法種類とそれぞれの工法の得意な用途と不向きな用途  


金属3Dプリンターは、製造業界での革命的なテクノロジーとして注目を集めています。

金属3Dプリンターのさまざまな工法を詳細に紹介し、それぞれの得意な用途と不向きな用途についてご紹介します。

特に、パウダーベッド方式や指向性エネルギー堆積法など、どの工法がどのような製品や業界に適しているのかを具体的な例を交えながらご紹介します。

また、ユーザーからよく寄せられる相談内容や実体験を基に、どのプリンターを選ぶべきかのヒントも併せてご提供いたします。


・金属3Dプリンターの多様な工法を徹底解剖  

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、金属3Dプリンターには、いくつかの主要な工法が存在します。

その中でも特に普及しているのが、パウダーベッド方式と指向性エネルギー堆積法です。

これらの工法はそれぞれ異なる特性を持ち、用途に応じて選択が必要です。

ここでは各工法の特徴を紹介します。  



   金属3Dプリンターの工法種類と目的別おすすめ用途ガイド①

・パウダーベッド方式(PBF)の特性と用途


パウダーベッド方式(PBF)は、金属3Dプリンターの工法の中でももっとも利用されている工法の一つです。

この工法では、微細な金属粉末を利用し、層ごとに材料を積み上げることで立体的な形状を形成します。

従来工法で再現できない複雑な構造や微細な形状、内部空洞が存在する形状など高い付加価値が求められる製造現場において、その特性が活かされています。  

まず、この方式の大きな特長はその精度の高さです。

パウダーベッド方式では、粉末の層をリコーターと呼ばれるブレードで均一に広げ、レーザーや電子ビームを用いて一層一層を結合させていきます。

このプロセスにより、従来工法では再現不可能な複雑な形状や微細な構造を持つ部品を製作することが可能です。

そのため、近年では航空宇宙産業や医療分野での応用が非常に多く見られます。

例えば、航空機のエンジン部品や医療用インプラントなど、精密さと独自性が求められる製品に最適と言えるでしょう。  

しかし、パウダーベッド方式にはいくつかの課題も存在します。

生産速度が比較的遅く、工程にかかる時間が長くなることがあります。

また、高精度であるがゆえに、コストが高くなる傾向があります。

こうした特性から、少量生産や特注品の製造に向いているのが特徴です。

大量生産を求める場合には、部品サイズの制約や生産数量による向き不向きが発生する為、他の工法の方がメリットが高くなる可能性が発生するかもしれません。  

実際に、この工法を採用した企業の事例として、航空機メーカーが挙げられます。

新しいエンジン部品をパウダーベッド方式で製造した結果、軽量化と同時に強度を維持することができ、従来の方法では実現できなかった性能向上を達成しました。

このように、パウダーベッド方式は特に精度が重視される分野での採用が進んでおり、その結果として無駄のない設計や新たな製造方法の開発に貢献しています。  

結論として、パウダーベッド方式は、高い精度と従来工法で再現できない複雑な形状の製造が可能であるため、さまざまな産業において非常に重要な工法となってきています。

しかし、コストや生産速度の面での制約を理解した上で、用途に応じた選択をすることが必要です。

展望する上では、これらの特性を十分に考慮することが重要です。

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・指向性エネルギー堆積法の強みと弱点


指向性エネルギー堆積法は、金属3Dプリンターの中でも近年、注目されている工法の一つです。

この方式では、金属材料を細かい線状に溶融し、それを一層一層積み重ねていく方法が採用されています。

この手法は特に、大型部品の製造や、補修作業において多くのメリットを提供しています。

 

まず、指向性エネルギー堆積法の大きな強みは、その生産スピードにあります。

この工法は比較的迅速に部品を製造することが可能で、大きな構造物の一部を短期間に製作できるため、工期の短縮が求められる現場で特に効果的です。

例えば、航空機の部品や機械の補修に利用され、従来の製造方法と比べて大幅な時間短縮が実現されることがあります。

このため、コスト面でも利点が生まれ、効率的な製造プロセスに寄与しています。

 

一方で、指向性エネルギー堆積法にはいくつかの不得意な点も存在します。

最も顕著な課題は、精度面での制約です。パウダーベッド方式と比較すると、細かいディテールや複雑な形状の再現が難しい場合があります。

特に、精密部品が求められる医療分野や航空宇宙産業などでは、その精度不足が問題となることがあります。

このため、精密さが重視される製品の製造には向いていないとされています。

 

また、熱管理も重要な要素です。

溶融した金属が冷却される過程で、応力がかかりやすく、時には熱歪みが生じることがあります。

この熱管理に失敗すると、製品の強度や耐久性に影響が出る場合もあります。

 

実際の体験談として、ある企業では指向性エネルギー堆積法を用いて大型機械の部品補修を行った結果、従来の方法に比べて迅速かつ経済的な解決策を得ることができました。

しかし、精度が必要な部品も依頼される立場からは、最初にどの工法を選択するかが、製造プロセスに大きな影響を与えることに気づいたといいます。

このように、指向性エネルギー堆積法はその特性から、適材適所での活用が求められる工法となっています


次回は金属3Dプリンターで造形するポイントについてお話する予定です

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