金属3Dプリンターで使用するインコネル718

インコネルは数多くの種類が開発されていますが、おおむね固溶強化型と析出強化型に区分され登録されています。
600番台が固溶強化型、700番台が析出強化型になります。
インコネル718は、最大温度 700°C (1290°F)での良好な引っ張り強さ、疲労強度、クリープ強度、破断強度を特徴としています。
一般的にインコネル718は高温強度が大きく熱伝導率が悪いため、工具メーカー泣かせの難削材としても知られているので、金属3Dプリンターで
ニアネットシェイプ化されていることによって時間とコストが削減できます。
用途として宇宙開発、原子力産業、火力発電所、各種プラント、ごみ焼却炉、ガスタービンや計装、電力・装置産業の部品など、高温用途で使われます。
金属3Dプリンターで造形したインコネル718の部品は、析出硬化熱処理によって後処理も簡単にできるのが特徴です。
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材質特性
EOS NickelAlloy IN718 で造形した部品は、析出硬化熱処理によって後処理が簡単にできる。 造形時も時効硬化後も、必要に応じて機械加工、放電加工、溶接、マイクロショットピーニ ング、研磨を施すことができます。
金属3Dプリンター造形に起因して、部品は一定の異方性を示しますので、注意は必要です。
熱処理はAMS 5662 に準拠した手順を使用いたします。
部品の物理特性と化学特性
材料組成
◆Ni (50~55 wt-%)
◆Cr (17.0~21.0 wt-%)
◆Nb (4.75~5.5 wt-%)
◆Mo (2.8~3.3 wt-%)
◆Ti (0.65~1.15 wt-%)
◆Al (0.20~0.80 wt-%)
◆Co (≦1.0 wt-%)
◆Cu (≦0.3 wt-%)
◆C (≦0.08 wt-%)
◆Si, Mn (どちらも≦0.35 wt-%)
◆P, S (どちらも≦0.015 wt-%)
◆B (≦0.006 wt-%) Fe (balance)
相対密度 approx. 100 %
密度 8.15 g/cm3 0.294 lb/in3
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使用用途例


インコネル718という材料を金属3Dプリントするなんて、数年前まで考えられなかったと思いますが現実化しました。
切削するのも非常に困難な材質で、規格材料(大きさ)も限られているので削る量のほうが多いとも言われてきました。
それが今では金属3Dプリンターで簡単に形状を作るだけでなく、高品質なニアネットシェイプ化が実現しています。
主な使用用途としては熱のかかる自動車部品の試作品などで、鋳造品の代替えとして考えて頂くケースがほとんどです。
また航空宇宙部品としても使用していただくケースがございます。
使用用途よっては、フライス加工、マシニング加工、研磨、熱処理して納品いたします。
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