造形師
金属3Dプリンターは言葉から想像すると、とっても簡単なイメージになりますよね。
しかし、金属3Dプリンターには様々なノウハウが必要で、ただ単にスイッチを押せば製品が完成するわけではありません。
弊社には金属3Dプリンターを扱う事ができる「造形師」が2人います。
「造形師」は3DCADも扱えなければなりませんし、造形できる金属の特性も知っている必要もあります。
また、機械操作(金属3Dプリンター、ワイヤーカット)、サポート除去、熱処理、研磨など、全ての工程に対し知識と経験を持っていなければ「造形師」とは言えません。
なぜなら金属3Dプリンターの一番の肝になる人材だからです。
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金属3Dプリンター
弊社で使用する金属3Dプリンターはドイツの「EOS社」のEOSINT M280とM290という設備になります。
制御装置(パソコン)の言語は全て英語になっています。
操作方法を覚えるにも、まずは英語を理解しながら操作できるようにならなければなりません。
ベースがパソコン(Windows)になりますので操作自体は慣れ親しんだ画面の中で行いますので、それほど難しいものではありません。
しかし、エラー内容も英語で出てきますのでやはり英語理解力は必要となってしまいます。
また、造形ステージの並行出しには一定の経験が必要になります。
リコーターとステージの隙間に隙間ゲージを入れながら並行度を確認しますが、前後左右のバランスを見ながらの調整になりますので簡単ではありません。
このバランスを間違えると初期接着面にバラツキが出てしまうため、応力により剥離することもあるので非常に重要です。
既存工法にも一定のノウハウがあるように、金属3Dプリンターにも様々なノウハウが存在します。
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3DCAD
3DCADと言っても金属3Dプリンタでは様々な種類のCADを取り扱い出来る方が望ましいです。
弊社の場合ですと、TOPSOLID、SOLIDWorks、FUSION360、Magics、D2P、FreeForm、Geomagicsの7種類使っています。
それぞれに強み弱みなどもありますが、金属3Dプリンタでは「STL」という拡張子のデーターを編集することがありますので、通常のCADとは少々扱いが違います。
「STL」を編集できるCAD、「STL」でモデリングするCAD、SOLIDでモデリングや編集するCAD、造形姿勢を決め、ネスティングしてサポート材を設計するCAD、医療データーを取り使うCADなど使用用途が違いますので、すべての操作を覚えなければなりません。
「造形師」への道のりは長く険しいものです。
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サポート材除去
「造形師」はサポート材の除去までが仕事?と聞かれれば答えは”No"です。
サポート材除去はそれ専門の作業者が必要です。
しかし、「造形師」もサポート材の除去経験は必要なのです。
それは前項でも話したように「造形師」が造形姿勢を決め、サポート材の設計をするので、サポート材の取りにくさや、難しさをわからないまま設計すると後の工程で苦労するからです。
後工程を知っていてこそ「造形師」になることが出来るのです。
金属3Dプリンタを使用できる人って結局「職人」なんです。
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まとめ
金属3Dプリンタが日本に中々定着しないのには金属3Dプリンタにも相当なノウハウが必要という事にもつながっているようです。
イメージだけでは金属3Dプリンタは誰でも簡単同じ品質のものが出来上がる感じがするのですが、「造形師」が変われば品質も違うのです。
言ってみれば受託造形サービス会社によって品質が変わるのです。
それは設備の問題もありますし、「造形師」のノウハウが大きく関わってきます。
金属3Dプリンタとはいえ職人が必要で「造形師」を育てるにも最低1年の月日が必要ですから、便利な機械というわけにはいかないのが金属3Dプリンタの本性だということになります。